顔面皮膚を攻撃

よく美容関係のCMで『こすらない泡洗顔』として洗顔フォームの類を宣伝している。一度石鹸用のネットなど取り出して試した時には、表面の脂を抜けた気が全くしなかった。いつも通り石鹸をべた塗りしてこすり落とし、タオルでぐっと拭うとようやく不快感が取れた。

 

また、顔に乗せる脂を売る商売も盛大に繁盛していて百貨店のワンフロアの何割かを占めるほどである。この2020年代には男性用と号する商品がちょくちょく視界に入るので試しに買ってみてつけたところ、やはり顔に脂を乗せる不快感が著しい。薄くつけて暫くすれば気にならなくなるものの大層不快になる。夏によく売られる日焼け止めの類もほぼ脂なので日光のダメージを頭では分かっていても躊躇する。

 

そしてその種の男性向け商品が、顔に脂が乗る不快な感覚を軽減するように調整されている事実に気づくとやや混乱してしまう。その調整が重視されていない商品は多々あり、習慣的に付けるとなると一定の心的ダメージが想定される。顔面の皮膚を1から10まで甲斐甲斐しく保護し刺激をとにかく減らすのが良いと美容業界は喧伝し、実際にそれが正しいようだがどうにも馴染めない。

 

顔面が整っていると色々と得をするそうだが、脂を塗り、刺激を執拗なまでに避け、恐ろしいグラム単価のする各種の粉や液体を用い丁寧に丁寧に整備した結果だと思うと正当な対価に思える。

 

逆に5枚刃で表皮をこそいだり消毒用アルコールで脱脂したりするのが好きな身であるので、修正するにはそれなりの時間が必要そうだ。