【自・粛・礼・賛】

何度書いたかもう忘れたが、また自粛礼賛の記事である。

 

『#大学生の日常も大切だ』というタグで色々な属性の大学生が、2019年末の生活様式に戻せと日々つぶやいているが自分にはかなりの違和感がある。

 

そもそも2000年度に生まれて現役で大学入学した世代が体験した中で、自粛なく2010年代式の生活習慣で過ごしたのは10カ月程度である。翻って現在の習慣で1年半、ほぼ倍程度を過ごしているので『大学生の日常』とはむしろ現状のことである。それをわざわざ毀損するようなムーブメントには反発心が湧く。

そもそも現2年以下は2020年度式の大学生の日常がその全てであり、そして多くの大学の4年生は日常どころでは無いだろうにどの学年が反発の主体となっているかもよくわからない。

 

それにわざわざ現在の安穏とした生活を捨てる気にも到底なれない。動いてナンボ、大学の高価な設備を扱ってナンボ、特に声を出してナンボの人たちは必要に駆られて対面に徐々に戻しつつあるのだろうけれども、そうでない人たちまで再対面化に巻き込むのはいかがなものか、と考えてしまう。

 

バイトとて、教育系のものもあれば日雇いや定期の荷物運びだってあるのだ。ちなみに倉庫仕事の日雇いでは男女が分けられて女性は比較的筋力を要求されないタスクに回るのが常である。飯の配達もある。確かに飲食店系やイベント系の求人は全然見なくなったが。

 

サークル活動がろくにできないのは残念とはいえ、実質的に通信制と化したために授業姿勢を90°ほど間違えて涅槃のポーズでPCを眺めて試験にだけ登校すれば単位が出る(たまに出ないが)現状の特権を、既得権益を手放したくない。登校するとなれば交通費も通学時間も重くのしかかるのだ。しかし自分の考えはどうやら少数派らしく、岸田総理も『正常化』と称して2010年代の登校を前提とする様式に戻す方針だと述べている。

 

非常にcostlyなキャンパスライフが戻ってきかねないとなると中々辛いものがある。友達が少ないのも孤立主義に走るのも元からなので(twitter経由で親しくしている人が数人できたのはありがたいこと)、できればあと1年、せめて半年は通信化した大学のままであってほしい。

 

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