【紹介】単位売りの少女

blog.livedoor.jp

 

大学生にとって最も重要なもの、それは単位である。内定と言う人もいるだろうが、単位を取って卒業しないと就職先を得ても水の泡である。大学にずっと居るだけで月30万貰えるならともかく、就職するにせよ険しすぎるアカデミックの道に進むにせよ卒業せねばならず、卒業のためには単位が必要である。

 

このSS、ネットの短文小説では仕入れてきた『単位』を1単位5000円で売りさばく少女が主人公である。年末まではほぼほぼ邪険に扱われるもののめげずに大学に立ち、12月に先見の明のある学生に14単位を売って大いに感謝される。

 

そして1月末、いよいよ卒業が危うくなった学生たちが大挙して訪れる。最初は3単位、5単位と端数を埋めるような人から30単位などと大口の注文も入る。値を上げても売れ行きは落ちないとアドバイスを受け、10000円にしてもそれはもう大層よく売れる。単位を売る商売から経済の仕組みを学ぶことを志し、儲けた差額で大学に入学するのだが......というお話である。

 

自分の大学は同じ国試が目標であることからだろうか必修必修また必修、選択の自由が2年次以降ほぼ無いので単位数なるものはシラバスの片隅に書いてあるだけで今一つ実感が湧かない。しかしながら、いざという時の備えとして単位売りの少女にいてほしいとも思うし、現実問題金で単位を買えないからこそ大学の価値があるのだとも思う。