”不急”の蓄積

明後日から緊急事態宣言の範囲が拡大し、また最初に約束した通りの8月末では終わらないことになったらしい。新しい期限は9月12日までだそうだがこれは気持ちの問題で、どうせ再延長がある上(10月末までと勝手に予想している)、仮に謎の力で全国の感染者が0人になる異常事態でも起きれば期限を破って解除されるので、店の『何日まで閉店・制限します』という根拠になるくらいの意味しかない。

 

さて、緊急事態宣言が出るようになった2020年4月からそろそろ1年半近くなるがまだまだ自粛を求められる雰囲気は収まりそうにない。感染拡大が止まらない状況なので仕方ないが、いよいよ『不要不急』のうち特に『不急』の事が抑えきれなくなったように見える。

 

まともに自粛要請(汚い日本語)に応じ続けたとすると、1年半分の先延ばしにできることが蓄積する。緊急事態宣言後から2020年末まではgotoなどもあり多少緩い雰囲気だったのでそこで解消したとしても8カ月の間待ちぼうけである。特にフェスやライブの類を生きがいにしていた人たちは相当辛いのではなかろうか。

 

医療面に限っても通常診療の縮小、予定手術のうち急がないものの延期、必要な物品の不足などがあり相当数の病人が『積み残されている』はずである。コロナ禍を慮って自粛する病気はインフルエンザその他の感染症くらいであるから、当座を乗り切ったあとは後回しにされたその病人を手当しないといけない。10月末に一旦落ち着いたとしても、次の第六波までに備えられるかどうかは甚だ疑問である。

 

終わりの見えない現状では結局は、外出即逮捕のロックダウンでもされない限りにおいて実際に行われている通り自身の免疫やワクチンを頼みにしつつ一定のリスクを許容しつつ生活するしかない。