大学の思い出:市バス

京都の市バスというのは中々に遅い。道路の渋滞が常態化しているためである。

 

皆様ご存知の通り狭義京都の道路は碁盤の目が基本になっているので、交差点が大量発生する。少し行けば交差点、少し進んでまた交差点となるので何回も信号に止められることとなる。

 

都市の密度の割には鉄道網も貧弱である。地下鉄が烏丸御池を十字に走っているが、少なくとも朝夕はほぼ満員である。他のは概ね京都に出入りするためのものである。

 

景気のいい都市なら新線の計画が立つものだが、地下の遺跡と水脈に配慮が必要なため手が出ないという。下がだめなら上に、というのも景観面で厳しい。タテカンが駄目なら空中に道路や線路があるのもだめだろう。

 

そんな都市に世界中から山ほど観光客が流れ込んでくるのだからもうたまらない。大学へ向かうのに、205系統のバス内で30分ぎゅうぎゅう詰めにされるのを耐える毎日であった。

 

地下鉄に課金して今出川まで行き、時には少しだけバスに乗り時には御苑を徒歩で横断し、自転車を調達した後はそれで行き、などとしたものだが例のあの代物で観光客の波が絶えてからはかなりバスが空いた。バスに余裕があってよろしい、などと思いつつルンルン気分で通学していたら新年度からはオンライン化でそもそも大学に行く機会が激減してしまうのであった。