不登校(物理)からのリハビリ

私はここ2年近く、不登校(物理)であった。2020年の3月ごろにちょっと重めの風邪で寝込んで2週間休んでから、試験と少々の実習以外で校舎を訪れた覚えがない。

とはいえ2020年6-8月の解剖実習の時期は実習室にちょくちょく向かったので不登校(物理)の実感が薄い。つまるところ実質1年と10か月くらいだろうか、試験とごくわずかな実習、あと健康診断やワクチン以外で登校しない時期が長く続いた。

 

おそらく近代の医師制度が始まってから、というより大学等の医学部を出て医師になる制度ができてから、実際に登校せずに単位を大量取得して進級する人が大半になった時代はないだろう。相当楽をしている実感はある。

 

しかし2年次の頭からそのような環境にいて、いよいよ就職を意識せざるを得ないような、医師免許の仮免試験が近づいてくるような頃になって、研究配属といって基礎医学の世界をみておく機会のために基本的には毎日の登校が必要になった。

 

今までは例えば9時開始の授業であれば、8時58分までに電子機器を起動しておけば後はzoomのURLを押すだけで遅刻なく参加できた。ズボンをはく必要さえない。授業の姿勢を90°くらい間違えていても問題はない。180°でもいいが、頭に血が上ってつらい。

 

しかしこれからは、9時開始であれば7時くらいには起きていないといけない。寝汗をシャワーで流して服を着て朝食をとって、歯を磨いてひげをそって日によってはコンタクトのプラ片を目に張る作業も必要だ。二度寝を望む体に鞭打って、片道750円ほどと1時間をかけて登校しないといけない。

 

 

不登校(物理)からのリハビリはこれほどまでに気が重い物なのか。嘆いていても9月からは仮免の実技筆記など始まり、12月頭からはいよいよ仮免を携えて病院実習である。幸せなオンラインキャンパスライフは終わってしまったことだ。モラトリアムの終了か、それとも残りは忙殺されるばかりの余生か。