医師仮免試験のCBTを受けてきた

 

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続きです。

今日はCBT、コンピューターベースドテストを受けに行ってきた。問題の内容は現代的な試験理論のもと使いまわす都合守秘義務があるので、それ以外について話す。

 

まず医師免許の仮免であるCBTとその実技試験であるOSCEの目的だが、本来医師でなければ、ひとつ間違えれば患者さんに傷を負わせかねない行為を行えないと法律にあるところを特別に合法扱いするためにある。

この2つの試験で一定の能力があると示すことで、この医師法17条を回避できる条件の1つを満たすことになるのだ。

 

これで例えば静脈からの採血やカテーテルの準備、縫合や抜糸、あとは知能テストや発達テストなど医師しか行えない、また医師の指示下で看護師などの有資格者しか行えない行為が法律上行えることになる。

 

自動車の仮免に制限があって、公道で有目的に走っちゃならんとか、横に手慣れた免許持ちを乗せなければならんとか決まりがあるように、医師の仮免も横に指導医がいていつでも指導介入できる必要があったりあまり高度で危ないことはできないことになっている。

 

さてそんな試験の形式だが、6ブロックあって各60分、4つまでは5択、5つ目は多択、6つ目は本邦独自の4連問である。

初診から診断、治療までを簡略化し問題に仕立てたもので、例えば第一問が『何は聞かなくてよいか?』という問題で正解のDを選ぶと『Aはあった。BとCは見られなかった。Eはこういう風だった』と問題文が延びてまた次の問題が出題されるのである。

 

当の試験だが、試験対策に疲れすぎて直前に詰め切れなかったことから、解けない問題がところどころ発生してしまった。この試験では「考えたら負け」で、キーワードと病名や病原体名とのパターンマッチングが主幹なのでいくら頭を回そうが覚えてなければ解けない問題にあふれているのだ。

 

そしてその範囲は膨大であり、直前10分や20分に詰めてもその苦労が報われることはなく、むしろ直前に詰めこむ疲労で注意力が落ちると考えたのでギリギリまでの直前対策はせずニュースアプリとツイッターを眺めて間の時間は過ごした。ある程度範囲が限られた定期試験に過剰適応して対策したくなるが、良しあしである。

 

注意は必要だがとにかく記憶から取り出すだけ、車輪の再発明で乗り切れないというのは数年間長丁場の試験バトルから離れた者にはつらいものである。特に最後の4連問はある程度覚悟はしていたものの散々であった。本番の試験で解いた直後に正答が分かり取り戻せないことはやや心にくる。

コンピューター相手の試験であるのをいいことに心を一時的に閉ざして機械的に解くことで対処した。

 

下記にその公開サンプルがあるのでぜひアクセスいただきたい。一般常識で解ける問題もあるので面白く感じていただけると思う。

www.cato.or.jp