大晦日の百貨店

今日は正月の縁起がいい色々を安く買うために、近所の百貨店の元西武に行った。元々は西武を名乗っていた阪急百貨店である。JRの駅と直結しているのに阪急で、しかも阪急の駅は別にあって非常にまぎらわしいので数年は『元西武』と呼び続けると思う。

 

近年のおせちは、正月くらい古臭くなくおいしいものを食べたいという願望に答えてか保存食としての性質が薄れていくらやらローストビーフやらが入っていて全然日持ちしない。まさか元日におせちを駆け込みで買う人はそもそも店を開けないのでいないし、かといって2日以降に売れるものでもない。それゆえ並べて見栄えするように大量に作った分の売りさばきに必死になるのだ。

 

しかしまあ恵方巻といいおせちといい高級食材の需要が集中してしかも少なからぬ量が生ごみになるのは悲しいことである。買いにいくのに大遅刻したらもうどこでも売ってないくらいの頃合いで丁度いいようにも思うが、店どうしの競争もあって現在の商慣行になっているのだろう。そもそも利益になるなら食品を無駄にすることも立派な経営の戦術のひとつである。近頃流行りのSDGsを実践していると声高に主張するのは厳しくなるが。

 

ゆえに閉店間際で、金を払って捨てるよりは半額でもなんでも売りさばいた方がマシだとして売っているのを買いに行った。同好の士や単純に買い忘れていた人たちでそこそこ混んでいて、2019年までならともかくコロナで自粛して普段の周囲3mの人口密度が薄いのに慣れた身にはやや負担があったことだ。

 

結局のところ、小さいながら正式なおせちと立派な祝い鯛と上等な栗きんとんを3~5割引きで買ってほくほく顔で帰宅した。来年こそは追試が少なくて穏やかな年になるとよい。