食品添加物



ロシアをしばく為か円安の為か、値上げラッシュが続く。一般人としては食品の値上げばかりが気になるが、他のものもさんざん値上がりしている。これはその一つである。

 

伊藤ハムがフランスから輸入しているKiriを、中身の量を減らして実質値上げするのだという。子供の時には大きかった食べ物が今は小さく見えて、これが成長かとノスタルジーに浸っていたら本当に小さくなっていたお決まりのパターンである。

 

それは仕方ない、コンマ以下まで、削れる原価は0.1銭まで削ってでも利益の確保を試みるのは営利企業の常である。しかし気になるのは、このニュースの『原材料の配合も見直し』の部分である。

 

クリームチーズの、『チーズ』の旗印を下ろすというのだ。さては植物油脂だのセルロースだのを混ぜ込んでかさ増しし、量のみならず質まで落とすのだなと勘ぐっている。

 

食品添加物というのは味や色や香りをよくしたり腐りにくくしたり扱いやすくしたりと、おおむねいい方向に働くが畜産加工品の添加物はその例外である。

 

よく文明嫌いの人たちが指摘するリン酸塩だの亜硝酸ソーダだのはどうでもいい。仮にもし、食品添加物特有の安全マージン100倍を取ってさえ有害であると証明されたとしても腐ったものよりはまだ健康にいいだろう。

 

自分が気になるのは、増量のために混ぜ込まれる植物油脂や小麦/大豆/卵白たんぱくだ。最近は安いシュレッドチーズがチーズを名乗らない代わりにこれらをふんだんに混ぜ込んでいて、乳製品らしい味がほとんどせず素朴な加工で食べるには厳しい味である。

 

肉の加工品なんかもこれらによる増量がひどい。たまに大山などの、ちと高いがかさ増しはしていないものを買うと肉の繊維と濃厚な旨味がよく感じられて実においしい。どうしても植物系や卵白の蛋白、油脂からは肉や乳の味がしないからだ。このKiriも、チーズを名乗らなくなるからには余計なものを混ぜ込むのではないかと心配である。杞憂であってほしい。

 

虫であろうと貴重なタンパク質だと言うベアグリルスに怒られるかもしれないが、たんぱく質の選り好みはしたいものだ。