祥風苑の足湯

 

この頃少しずつ夏の暑さが失せてきて、足湯の季節が始まりつつあるなと思うこの頃である。

 

毎年、冷房があまり要らなくなった秋から初春の休日昼下がりに、時間と体力が余っていれば5km自転車をぶん回して足湯に繰り出すことが多い。高槻の山のふもとにある祥風苑という温泉屋の入り口に、石の湯舟があってそこで足湯ができる。やや地形と方角が悪く見通しは宜しくないものの、近場では自分が知る限り唯一である。

 

案外知名度が低く、1時間も浸っていると数組は『足湯なんてあったのか』と気づく人たちがいる。高槻には一応京大の跡地やら登れる天皇陵やらあるが、そこまで観光映えする市ではなく初見の人は少ないだろうからやや不思議である。足湯ののぼりを立てているわけでもないから毎回見逃しているのだろうか。

 

そこに行くのは外の空気を吸い、また足湯で暖まるためでもあるが、そこに来る人々との会話を楽しみに訪れる目的もある。たまーにフォロワーに高槻まで来てもらった上で連れて行くときもある。

 

だいたい居合わせるのは家族連れであるが、これはほとんど会話にならない。彼らは彼ら自身だけで完結する傾向がある。子供からは目と注意を離せないということなのだろう。年齢が低ければ低いほどその傾向が強い。ただし子供だけなら高確率で会話に応じてくれる。ある時居合わせた特定の新聞をとる家の兄弟との会話に衝撃的なものがあったものの、ここに載せたいものではないので載せない。

 

子無しの夫婦はそれに次ぎ、会話する雰囲気になる場合とならない場合がある。ボイチャで人狼をやっている夫婦がいて、会話から状況を推察するのが面白かった覚えがある。

 

会話ができる高齢者や、中年までの友人連れならかなり高確率で会話に花が咲く。世間話だけでもけっこう楽しいものだ。お互いに一人なら間合いの取り合いになる。

 

しかしやはり、自分と同じ独身男性相手が一番気楽である。2年ばかり前にエンカウント(原義)したカナダ留学経験者は元気にしているだろうか。

 

twitter非依存の会話相手は自分にとっては中々少なく大切なものである。次の試験ラッシュは11月末から、暑くもなく寒すぎもしない季節に楽しめそうである。