大学の歩き方:大学の英語教育

最近は英語4技能などという非常にめんどくさいものが流行っている。英語を読む分にはネットの海を泳ぐときやエラーの解決方法を探すときに有用で、英語帝国主義を感じないではないものの重要である。BBCのネットニュースなんかも同じ題材の日本語ニュースを先に読んで補助線を引いておけば受験英語の残滓で特に苦も無く読める。国内メディアとは別の視点から記事が書かれていて面白い。

 

調べ物をする際に最近は解説を動画でするものも多いから聴くスキルも捨て置けず、書き込みをするにはやはり英作文もできないといけない。読むことこそメインとはいえ、サブでこの2技能を扱うのは納得がいく。

 

しかしスピーキングにおいては、これを習得すると何が嬉しいのかわからない。英語話者と接する機会の多い人には役立つのだろうけれども、『英語は話せてナンボ』という意見がそこそこ市民権を得ていることは全く理解できない。世の中は英語話者であふれていないし、観光客だってここ1年全然見ない。

 

とはいえ必修の単位認定条件にスピーチを課されると従わないわけにはいかない。弊大学の英語は教授が厳格な人なので出席や態度に対する要件が厳しい。対面の頃は教科書を忘れた学生が盛大に詰められていた。ひどい。

 

1年2年のうちは一般的な内容を扱い、3年からは医学部らしい内容に移行する。中身は、1年生の英語の半分で社会言語学のやや難しい本を読んだほかは概ね中高でALTが行うようなものと高校レベルの文法や単語は既知として扱う他に変わりはない。

 

ようはスピーキング重視の写真が多い教科書に沿って英語で進められていく。とびきりeducatedな、それこそ大学で教鞭をとるほど程度の高い英語話者がナチュラルなスピードで話すので、ついていけば力になることは間違いないものの3割程度しか内容を聞き取れないのが常である。web授業化して資料を紛失することなく後から確認できるようになったので助かった。

 

 

時間は限られているので受験英語で培った能力の減衰を遅らせてくれているに過ぎないが、それでもありがたいことだ。