大学の思い出:理科の選択

大学3年にもなってしまえば受験の記憶もやや薄れ、医学部の専門教育として特殊な暗記ばかりになるので高校以前の勉強は直接は関係無くなる。しかしながら教養や基礎医学の一部では高校生物の焼き直しや発展部分が一定数あって、高校生物をこなして入学すると一部で楽ができる。カリキュラムが多数派の物理化学選択者向けに組まれている為ハックできるといった方が正しいか。

 

世の人の中には理系選択が少なく、中でも物理(非基礎)を履修する人は1割少々と聞くが医学部では弊学でも7~8割、物理が必須の大学では10割に達する。どだい物理選択者向けに配慮されたカリキュラムとなる。生物選択向けに高速で進むカリキュラムだと非選択者が辛いので妥当といえよう。

 

ただし(特に発展事項を多く扱っていない場合)次第に大学らしい内容へと発展していき陳腐化するまでの期間が短く、概ね半年で大した差が無くなる。大学生活の最初期にブーストがかかる程度と考えるのがいいだろう。その間にしっかりその有利を生かし、物理選択者の助けとなろう。

 

ちなみに入試を考えると、化学は物理とも生物ともよく関係するため、学校の科目選択で必須とされるところも多いために選択するとして残りの一つが生物がいいか物理がいいかは志望校による。物理必須なら選択の余地はなく、生物が選べても二次試験でほぼ満点が要求される場合は満点が比較的取りやすい物理の方がよい。無論物理で満点近く取ることも難しいが、一次試験の国語満点より数学満点の方が易しいことと同じ理屈が成り立つ。

 

特に医学部専用の高難度問題が用意される大学に志望を絞るなら生物選択もよい。生物の用語に抵抗が無く、現代文の長文読解や推論が得意ならいい選択肢となる。数学を捨てる場合も生物選択が適するだろうか。

 

しかしまあ、工学部の機械や電気あたりを扱う所で生物選択を求めるところは少ないのに対し医学部で専門分野に全面的には関与しない物理選択を必須とする大学が複数あるのはやや直観に反するところ。