ハンガリーへ医学留学?お勧めしない。

2019年ごろには、「日本の国公立医学部は入りにくいし私立のは高いからハンガリーで医学留学しよう!英語で勉強できて日本の医師免許も取れるよ!」といった宣伝、あるいはこれのハンガリーチェコポーランドその他中・東欧の国に読み替えたものが盛んに行われていた記憶がある。

 

実際にそれで進学する人も一定数いるようだが、その体験談を調べる限りそうとう苦しい思いをするようである。国内で実家暮らしで悠々と医学部生活を送っている自分でも試験前にはたいそう苦しむことを考えると、海外の医学部など考えなくて大正解だったというほかない。

 

なにせ最短6年間、予備コースでもう1年、留年すれば追加でドン、の海外暮らしである。数週間で欧州周遊旅行と洒落こむくらいなら楽しそうだが、複数年ともなれば滅入ってしまうだろう。現地での暮らしを過ごすことを考えると、東欧の言語は日本語での情報が少なく手ごわいものが多く特にハンガリー語などは印欧語族でさえないので医学部生活と並行しての習得は厳しかろう。

 

本分であるところの医学知識の習得にしても、日本語を多用してさえ数が多すぎて苦労するのに英語オンリーで習う苦労は想像して余りある。大学の講義を英語で聴きとれる気はしない。講義動画の類なら英語字幕をつければ何とかなりそうだが講義室でのマイク音声には当然つかない。

 

学生同士で互助をして乗り切るにしても、日本人どうしで意気投合できればよいがそうでなければ異文化交流が必須である。留学するくらいだからそれを厭わない人たちが入学しているのであろうがやはりこれも辛い。

 

そもそも、外国の医学部に入学するためには結局高度な英語力や数学力に理科に対する理解が必要だという。留学に特別興味がある場合を除いて、海外大学への留学を目指すバイタリティと資金があればそれで駿台にでも通って国公立医学部を目指す方が明らかによい。