『ゲームに飽きたから勉強でもするか』

この世には、特にインターネットには楽しいものがあふれている。今は人生で最後から何番目かの自由に使えるまとまった平日休みなので、毎日自室でゲームばかりしている。しばらく触っていなかったクッキークリッカーじみた放置ゲーまで再開した。ちょうど、本当にいい時期にポケモン新作が出たので発売日の内にスタッフロールを流し、レート戦に向けて色々とセットアップしリソースを蓄積している最中である。

 

ここ数年はコロナの影響で、試験前暫くはともかくとして全体として夏休み(高2までの)じみた心持ちで過ごせている。週5回、朝から夕方まで登校となるとまとまった時間がたまにしか取れず、なんとなく忙殺されている感じがするのだがここ数年は一切ない。忙しい試験前でさえノルマこそあれ、いつどれだけ勉強するかは私の自由である。

 

忙殺感が今までで一番高かったのは小6、特に夏冬休みの講習で休みというものが存在しない時期であった。毎日昼前から晩まで演習演習あと小テストである。元日さえ半分は勉強であった。

 

今振り返ると、将来の終わらない長時間労働じたいの演習であったのだと考える。週一の休みがあった夏期講習でさえ、過労死ラインは超えていたように思う。宿題も課されていたが過労死ラインを超えた上に持ち帰り残業を加えるのは過酷に感じたのであまりやっていない。それでも死んでいない理由は、幼さともいえるほどの若さである。今はもうない。

 

来月からはコロナ次第だが登校必須の病院実習、医師免許を取ってしまえば平日も休日も昼も夜もない数十年もの長時間労働が待っている。年を取って引退すれば自由時間はつくれるが、体が衰えてできることが限られてくる。自らの能力を自由に楽しめる最後の時には遊ぶことがとうぜん優先される。

 

とはいえ遊んでばかりいると、時折生産的な時間がほしくなるので、そんな時に勉強や部活のパワポ作成などをやっている。砂糖に塩を入れると甘さがひきたつのに似ている。