無料塾

塾というものは高い金を要求してくるものである。特に大手予備校の亜種の、映像講義のものなどは講義動画をさんざん使いまわす割に対面とそう変わらないような時間単価を要求してくる。医学部予備校なんてのは特殊な対策を必要とする私大医学部に寄せているので出た後も含めてそれはもう恐ろしい。

昔やっていたブラウザゲームで800万円突っ込んだのを『廃課金』と自虐半分に誇るブログがあったが、それが並みに見えてくるのが親目線の受験バトルである。厳密にプログラムされたゲームではないのでpay to winとも限らないのが悲しい所であり面白い所だ。

 

前置きはさておいて、自分は高校生の頃、コロナ前に高校受験を目的とする無料塾のボランティア講師を1年半くらいやっていた。受講者からはお金を取らず、公民館などを一時的に借りて小中学生の横で宿題などを手伝う。

 

大阪の高校受験では国英数において入試問題が3つに分かれていて、その内のA,B問題は学校の勉強についていけばある程度問題ないような質および量になっている。しかしそれでも、中3まで落伍せずについていく事自体決して簡単なことではない。

キャッチアップを試みるにも、内申の都合でまずは目の前の宿題をこなさなければ始まらないし、そもそも過去の積み残しを振り返るのにはたいへんな精神的負荷がかかるものである。

特に数学でいえば、単位の組み立てや分数の概念、あるいは計算の練習量の蓄積不足など算数の部分に問題があることも多い。中3なのに、授業で流れる難しいことを覚えなければならないのに算数に『かまける』ことには相当な勇気が必要だ。

 

それに無料塾の生徒らは中三であっても勉強の為だけに生きている人間ではない。部活なり、学校の業務だったり、あるいは家事に弟妹の世話に介護など、何がなくとも常に忙しくて勉強する時間が取れない事もままある。塾と名前がつく所を知って、来れる層でさえそうなのだから......これ以上はよそう。

 

世の中の他の事もそうだが受験勉強も、完全なpay to winではないが少なくとも傾向としてはリソースを多くつぎこめば優位に立つことができる。本人目線では生まれで投下しうるリソースが制限されるのは業腹だが、学校歴も継承させたい親心で制度設計がされてきて、され、されるだろう現状ではそう変わらないのだろう。