寝エアコン

私は寝るとき、エアコンを25℃で吹かして寝ている。そうでもないと暑くて寝れたものではない、仮に寝れたとしても寝汗ぐっしょりで朝から動けたものではないからだ。

 

そもそも論として、熱産生は立体の組織が行うので長さの3乗、放熱は皮膚などの面からやるので長さの2乗で効いてくる。人間は綺麗な相似形をしていないが、自分の半分も目方が無いような人間がことごとく寒がりなのはこれで納得がいく。

 

彼らはともすれば扇風機で熱帯夜を越し、職場では上着を羽織るのだという。そして少々の運動くらいでは涼しい顔をしている。冬場はこれでもかと着込んだ上で、人の蒸し焼きを作らんばかりの電車で平然としている。弱暖房車をくれ。

 

自分の場合この気候で日中に野外で運動すると滝のように汗をかき、運動量にもよるが水の数リットルは消滅させて尿量は増えもしない。何せ体重が2倍あれば同じ運動量でも発生する熱は雑に言って2倍、伝導や放射での冷却は体表面積まで2倍にはならないので追っつかず、追加分はおおむね汗の気化熱で対処するからだ。

 

そしてそのくらい水を飲むと低ナトリウム血症の前兆らしきもの、ごく軽い頭痛と思考能力の軽い低下、が認められるので塩を突っ込む。よく売っている塩タブレットなんかは味のために塩分量を犠牲にしていてわずかしか入っていないので、かつては古代よろしく塩の専売を行ったという塩事業センターの、赤いキャップの顆粒塩を飲むことにしている。

 

普段は塩を直飲みなんていくら濃い味が好きな自分でも限度を超えていて辛い、まずいと感じられるのに塩が足りてないような状況だと美味しく思えるから不思議だ。塩の体内への吸収は細胞にある専用の取り込み口でやるが、それはだいぶ迅速なようで数分すると元気が戻ってくる。素晴らしいことだ。