文章の熟成

普段レポートなど大学で人に見せる文章を書くときは、よほど切羽詰まっていない限り書き上げてからまる一日、少なくとも一晩は置いてから推敲をするようにしている。

 

日本語ネイティブとして二十年余を過ごしてきたとはいえ厳密なテンプレートの無い文章を大量に書くことはひとつの特殊技能であって、それを体系的に学習せずふんわりとやっている自分などはいわゆる悪文をよく書いてしまうからだ。

 

そして自分の書いた文章には愛着がわくもので、他者からすれば粗が目立つものであってもその時には上出来だと思ってしまう。この傾向は手間がかかればかかるほど強くなる。

最近はwordの校正機能も中々立派なもので、機械にも分かるくらい明白なミスは指摘して直してくれることもあるが理想からは遠い。単語のミスしか検出できないのもそうだが、可能であるならば構成の提案もやってほしい。

 

機械には頼れず、同級生や先生など他者に一度送り付けてアドバイスを仰ぐのも高コストである以上推敲をするのも自分しかできない。そこで一晩寝るなり一日過ごすなりして、伝わらない文脈や思い入れを揮発させることで十分な推敲が可能になる。

半日であっても今の自分と未来の自分は別物、ということもできるだろう。

 

ちなみにこのブログは校正機能の無い入力フォームに深夜テンションを乗っけた書きたてほやほや新鮮な状態で提供しているので構造的にミスが不可避である。変えたいのだが1年これで続けてきたので慣性が強く方針転換にエネルギーが必要だ。