吉野家

今日は健康診断のついでに吉野家に行った。吉野家は牛丼屋なので普段なら牛丼を食べるのだが、今日はこっそり新発売されていた親子丼にした。普通に卵と鶏肉とタマネギの親子丼で、スーパーの親子丼の素とかに近い味であったが、逆に市販の味に近いことで親子丼のナショナルスタンダードを打ち立てようとする意志が感じられた。ひとつ文句を言うならば卵白が固まっておらず生の部分がそれなりにあったことくらいか。どういうオペレーションなのだろう。

 

これは本当は看板商品として大々的に売り出すつもりだったようだが役員のひとりを舌禍で追放したのがあって発表ができなかったのだという。余所さんむけの講義で客に出す飯に違法な異物を混入させるような発言、冗談であっても、冗談であるのは分かる、それもまた表現の自由ではあるが、そのターゲット層に聞かれてしまってはお終いであるので傷を小さくするために切り捨てたのだろう。ターゲット層でない自分もいい気分にはならない。

 

ここ数年牛丼屋が鶏肉の商品を打ち出すことが多いが、単に商品の多角化というよりもリスクヘッジが透けて見える。じわじわと進む円安とか色々あって輸入牛肉が高くつき、並盛ワンコイン以下では商売にいずれならなくなるのだろう。いつなんどき牛肉の禁輸が起こらないとも限らない。牛丼屋が牛丼をまた出せなくなった時の主力を担える味であった。