資源回収(ペットボトル)

一昔前に、資源回収といってペットボトルの蓋を集めるのが流行っていた。廃プラの業者にひと袋いっぱいにして送ると数十円になるのでそれで海外に支援するのだという。小学校の行事かキャンペーンみたいなもので、純真無垢(?)だった私はそれなりに真面目に取り組んでいた。

 

もちろんこれは効率がとんでもなく悪い。そもそも、その辺のバイトだっていまどき時給のボトムは1000円近く(2021年秋の大阪府)あり当時でも800円くらいはあったのだ。小学生とはいえ家と学校で時間をかけさせる価値は無かったし、監督する先生の給料(定額なのでタダ扱いかもしれない)を考えると確実に足が出ていた。

 

そもそも、石油製品は便利なように精製されたガソリンでさえ税金が乗っても高くて1L200円しない代物であり、いろんな染料やら食品残渣やらが混じった廃プラともなるともっと安くて当然である。キャップという形状も、あの手で回せるサイズの円柱のうち9割くらいは空気であり実質の密度が低すぎて集めるのに向かない。焼却炉の焚き付けにするぐらいが精々である。

 

教育効果にしたって当時は特に考えず楽しくやっていたが、環境の為、国際支援の為にいいことをやっている雰囲気だけ出して実質を伴わないものに意味があったのかは疑問である。

 

小学校にいた当時から少しすると先生方の中でせっせこ数十円を集める徒労感があったのか、それとも単純に輸送費などで足が出ていたのか、収集対象がアルミ缶のプルトップに変わっていた。じきに開ける時の持ち手であるプルトップだけではまともに量が集まらず外した断端が鋭利で危ないとのことで、アルミ缶全体の収集に変わっていった。選挙の時に見たが、今でもやっているようだ。アルミなら国際価格でもキロ300円くらいはあり、潰して集めればゴミ袋一杯にすればそれなりの重さになるので一定の意味があると感じている。製造で盛大に電力を食うこともあるし。