給食の牛乳拒否

小学校の給食といえば、主食がパンでも麺でも飯でも必ずつく牛乳である。学校給食の象徴とさえいえよう。紙パックの地域と瓶の地域があるようだが、自分のところは瓶である。おそらく今でも。

 

しかしこの牛乳は別に飲まなくてよく、何なら飲まないと返金されることはご存知だろうか。小3の夏休みから牛乳を受け付けなくなったのでその間は普通に残した。完食指導をするような根気のある先生でなくて助かった。

 

そしてここからが本題である。小4の4月に親向けに渡される給食に関する連絡のプリントをちょろまかして、牛乳を飲まない旨書いて出すと正式に牛乳が配膳されなくなった。理由の欄には乳糖不耐と書いた気も、適当に「精神的アレルギー」なんて書いた気もする。それでとにかく通った。

 

そんなことは知ったことではない同級生が勝手に自分の机に置いたりするので、それは牛乳を運ぶ金網のカートに都度戻していた。時々ミルメーク(味変用の粉)が配られたりするが、これはどうしたか覚えていない。牛乳とセットということで配られなかった気はするが、ザラザラと口に流し込んで美味しい思いをした記憶も朧気ながらある。

 

これがバレたのは学年末にある返金のときである。2010年当時でも給食費は口座のない人以外は引き落としになっていて、小学生の手を介さず支払われていた。セキュリティ上当然である。

この牛乳代というものは毎日飲むものであるからそれなりに値が張って、年間で1万円弱する。200ml×200日でざっと40L飲むのだからまあ妥当であろう。

 

その1万円弱が不思議なことに学校から振り込まれて、私が1年間牛乳を飲んでいなかったことがバレたのである。幸いにして我が親は私の側についてくれて、飲みたくないものは飲まなくていいとしてそのまま続けることとなった。(返金は小3の末でもうあったかもしれないがまあ些細なことだ)

 

卒業まで給食の日には毎日牛乳の瓶が1本多く1階の調理室からクラスに届けられていたが、それはじゃんけんで同級生の腹に収まるのが常であった。

 

給食の牛乳代が年に1万円、これはサブスクとして中々馬鹿にならない金額である。だからそれに手を付ける親がいたっておかしくないように思うが、そのような話を聞かないのは経済的な理由で親がそう頼んでも受け付けられない仕様なのだろう。

 

それに、そうせざるを得ないような家には就学援助制度で給食代がもちろん牛乳も含めて実費支給される。自分の意思でするならともかく家の都合のため小学校で同級生との差をわかりやすく実感させられるほど悲しいこともそうないので、ありがたいことである。