【短記事】お絵描き(医学部)

医学部で暮らすには必要ないと思っていたが地味に要求されるものに、絵心がある。無論それで食べていけるほどには必要ないが、何を描いているかわかる程度の画力が必要となる。

 

それは勿論スケッチの為で、組織標本を顕微鏡で見たもの(ミクロと呼ぶ)やそれを画面にうつしたもの、時には肉眼でやや大きな構造(マクロなどという)を色鉛筆でスケッチブックにかかされるのだ。

 

そして描いたものに、ここは壊死していてここは正常でそこに出血があって......などと説明を加え、その組織像がみられる原因なども説明してスケッチの完成となる。実際のところ写実的にうつす才能は要らないものの、わかりやすく説明できるようにする能力が求められる。

 

これが課題として出ると、文章を考えてキーボードに指を打ち付けるのではなく実際に画材を取り出して手を動かさないといけないので非常に面倒くさい。それでもこれを出さないことで平常点が減って追試にされるほうがよほど嫌なので、きちんと出すのであった。