大学の歩き方:サイゼ勉のすすめ

『家では集中できないので喫茶店で勉強します』という人はよくいる。家庭環境や周囲の騒音に対処するためであることが多いが、自分は特にそういう事情もなく外で勉強することがままある。

 

そこで場所の選定をする時に、勉強に適した場所には条件がある。まずは屋根と壁があって冷房、冬は暖房が効いていること。椅子と机があり、自分が占有できるスペースがあること。十分に明るいこと。適度に騒音があり静かにする必要がないこと。長時間滞在が許される雰囲気であること。

 

そしてこれは2020年からだが、マスクをつける必要が無いことが重要項目である。1枚100円程度の高級使い捨て(方言でディスポなどという)マスクをつければ問題ないのだが、どうしても呼吸抑制がかかり集中力が落ちる。吐息が反射して口周りに、時に目にかかってどうにも居心地が悪い。

 

マスクを外して屋内に居座ることを考えると、飲食店以外の場所は選択肢から外れる。この緊急事態宣言が何度も何か月も出るご時世に堂々とマスクをつけないでいる大義名分は『食事中である』事くらいしかないからだ。

 

 この条件を満たせば店の選択はわりあい自由である。自分は手頃な価格かつ手頃すぎて五月蠅いようなことがなく、適度に空席があって居座りやすく、家から近く、軽食のレパートリーが豊富なサイゼの郊外店を選択することが多い。

 

昼過ぎの空席が目立つようになってくる時間に行って、ドリンクバーを頼みドリアやピザを腹に入れてから勉強にとりかかる。ラム串やエビフライなどをつまみつつ砂糖を数本突っ込んだエスプレッソをすすりPC画面に向かう。甘いものが欲しくなればティラミスやプリンなどを注文する。予算が厳しくなってくれば常温でもおいしいサラダやほうれんそうのソテーなどをちびちびとつまむ。

 

充電用のコンセントが無いことだけがひとつ不満だがそれも電池の消耗が帰宅のいい頃合いを示すものとなり、電池消費の多いPCゲームをする気を失わせてもくれるので丁度良い。

 

 

大学の歩き方:看護roo!

試験が着々と近づいてきて、配布資料を読み直すほかにネットの海を泳いで学習することが増えてきた。総論的なものはmedu4の講義動画で学べばよいのだが、勉強する中で一個一個気になったことはすぐに応答してくれるgoogle検索で調べる(日本語の資料が出てこないときや、釈然としないときは大学の先生がたにメールで質問することも多い)

 

 ↓の記事で述べたように、国の指定難病のサイトやMSDマニュアル、あるいは公開されているガイドラインや報告書のPDFなどにあたれば詳しい情報を知ることができる。しかし時にその分野の概念があまりに難しく、それらのサイトからでは十分に理解できないことがある。最近は減ってきたものの、2年次の頭で基礎医学に入ったころは初学の概念に苦労したものだ。

carrotman.hatenablog.com

 

その時には『看護roo!』というサイトを使って調べることが多かった。これは看護師と看護学生向けの総合サイトで、知識から国試対策から情報交換の掲示板、転職果ては占いまでやっている大規模な代物である。

 

私は医学生であるので看護師の国試対策や転職事情には興味が薄いものの、その知識に関しては一定の信頼を置いている。wikipediaでさえ明確に荒らされていなければ野生の専門家が巡回しているのでその出典を見て確認する限りにおいて正しいものと思ってもよい(ただし直接出典にしてはいけない)が、看護roo!では信頼できる企業や個人の名前が出ていて自由に編集できないようになっているのでなおさらである。

 

しかも想定する読者層が看護師や看護学生なので、専門用語を交えつつも平易に文が綴られていて最初に概念をつかむには大層有用である。大学に提出する課題で直接出典とするほどの権威は感じないが、その出典を理解する助けに大いになってくれる。

大学の歩き方:エッセンシャル細胞生物学

医学部受験生には物理選択が多く、また物理選択を必須とする大学もそれなりにあるので勘違いされかねないが医学部医学科は生物を扱う学科である。

 

弊学でもご多分に漏れず物理選択が多いので、基礎医学のうち生物学の要素が強い分野を扱う前に生物学そのものの学習が必要になる。そこで重宝されるのが”エッセンシャル細胞生物学”である。

 

非常にページ数が多く通読しようと思えばそれなりに手間のかかる代物ではあるが、ストーリー性のある解説と美麗で理解の助けとなる豊富な図版がうまく配されていて世界中で愛されているという。

 

私は生物選択で、その中でも学校の(というより先生個人の)カリキュラムに沿って医学部進学後を見据えた高度な内容を習っていたので苦戦しなかったものの(ただし勉強しなかったので可になった)、1年4月時点で基礎知識が乏しい物理選択の人は一番多くの時間をこれに割き、生物選択であってもやはり高校生物の教科書内容そのままでは太刀打ちできないためしんどい思いをしていたようであった。

 

大学の教科書は高校以前のように理解の前提であるというよりはその習得が一つのゴールとして存在しているので、小手先の対策に終始せず正面から何回でも通読して習得したい。

教習所:実用道交法基礎(実技、所内)

自動車教習所では乗れるようになるために当然自動車に乗っての実習があるのだが、いきなり公道に足を踏み入れるわけにもいかないので最初は所内のサーキットを周回することとなる。合宿免許だと実技と学科の内容がリンクするのだろうけれでも、通いでは学科を受ける順番が規定されていないのでどちらで先に習うかはバラバラである。

 

所内の機械から登録を入れて、その日時に受付の読み取り機にICカード替わりのイコカをタッチして受講票とでも呼ぶべき紙片を入手する。同じ方法で管理用の原簿を取得した後、しばらくすると実技の教官がたがぞろぞろと建物の近くまで来るので担当の名前を照合して実習に入る。

 

 挨拶をしてから受講票と原簿を預けて、顔と身分証明書の照合を行う。裸眼視力が0.3くらいなので眼鏡かコンタクトレンズをつけていることの確認を受けてから、割り当てられた番号の車両に乗り込むこととなる。

 

 サーキット内には複雑な構造の道路や夜闇に紛れて奇襲をかけてくる(自動車目線)歩行者は存在しないので気楽なものである。教官の指示通りにウィンカーを出しておけばだいたいそれで足りる。時々は確認の不足などで失敗するのだが。重点的に確認すべき場所とさっと目を通せば足りる場所があって、前者がどこか分かっていないと不必要なコストをかけることになる。

 

 回ごとに設定されている習得技能の中には、坂道発進などというAT限定では平易極まりないものもあるものの、クランク(隘路を落ちないように走る)や縦列駐車(前後に車があるところに割込む)など相当難儀するものもある。操作だけでも厳しいが、それを目の前の景色と俯瞰での自車位置、車輪の向きなどをリアルタイムで統合しつつ行う必要がある。

 

それなりに苦戦した覚えがあるものの、親の車に乗せられた経験がそれなりにあるからその点では優位(車で運ばれることが少ないといざ自分で運転する時に難儀する)のだという。あとは俯瞰での運転感覚を掴むためにマリオカートをやりこんでいたらもう少し楽だったかもしれない、と思うが過ぎたものは仕方がない。

大学の歩き方:MSDマニュアル

 対面でやるのは一部実習と試験だけである通信制の医学部に通っていると、情報収集にはどうしてもネットを使うこととなる。zoom講義では「わからないことがあったら教室凸してくれて構わない」と先生がたが言ってくださるし、図書館も開いているものの県境をまたいだ移動は止せと言われており、また往復にかける2時間の消費がどうにもつらいため足が遠のく。

 

 さて、2年次に基礎医学を学んだ時はweb検索に特に不満はなかったが3年になり具体的な病気を扱うようになると少し問題が生じる。患者やその家族向けに書かれた記事が検索上位に多くあらわれるのだ。

 

 これは特に患者の多い病気では自然で当然なことであるが、専門教育2年目に入り医学用語を一部といえど見慣れてきた身としては用語が平易なものに置き換えられていると学習に困る。特に症状などは医療者向けと非医療者向けで用語が全く異なるので患者向けに画かれているものを覚えるだけでは点が取れない。

 

 ちなみに街角のクリニックで自分が医学生であることを明かすと多少説明が詳しくなる。低学年なので先生の遠慮を少し取る程度にしかならないが、高学年になるとタームをそのまま使うようになるだろうか。

 

それはさておき、大学のテストに向けて勉強する時は病院の公開されているマニュアルや症例報告のpdfを漁って勉強するほかに、医学生向けor医療者向けの記事があるサイトを好んで使っている。難病情報センター(https://www.nanbyou.or.jp)も中々頼りになるがこれは名前通り難病の扱いに特化しているので、MSDマニュアルプロフェッショナル版(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル)を好んで用いている。

 

これはアメリカの製薬会社メルクアンドカンパニーにより作られた医学書の無料オンライン版で、膨大な量の医学情報が適度に専門用語を交えつつ体裁をよく整えられて記載されている。検索性もかなりよいし、国や大学医学部が載せている情報と同程度に信頼できる。

 

大学から配布された講義資料にあたって勉強する時に生じた疑問点は概ねMSDマニュアルで検索して解決する。プロフェッショナル版をよく使うが難解な場合は家庭版を理解してそれを一種の補助線として読み解くことも多い。米国の医療事情に合わせているため、日本の国情に完璧に寄り添っているとは言い難いことだけが難点である。