高台の家

少し前に親に『高台の家に住もうかと思った事もあるがやめた』と言われたことがある。実家の場所は選べないので、その選択は本当にありがたいものだ。

 

高台と言っても景気がいい頃に川以外はほぼ平らな大阪平野の数少ない丘や周辺の山を切り(物理)盛り(物理)した新興住宅地、ナントカ台だのナントカヶ丘などと呼ばれるような土地である。斜面の道路に一軒家ばかりが並んでいて、ごついガレージに車が複数台停まっているような分譲地である。

 

実際に住宅地として売り出されている以上そこを住みよいと感じる人もいるとはいえ、自分には到底魅力が感じられない。無論津波や氾濫を避けるためにやむなく住むことを責めるものではないが。

 

何が悪いかといえば、とにかくどこに行くにも遠いことである。高度差の分だけ自分自身と、荷物や乗り物を上げ下げするコストがかかるのだ。自転車にしてもカーボンなんかで作った軽量高級モデルでも10kg、アルミの普及品だと20kgはするし坂路では2輪である以上不安定で力が要り乗れたものではない。

 

生まれ持った2本の脚を使おうにも高々500m先の店に早くて5分、往復で10分である。しかもこの種の住宅地はその範囲内に公園と小学校くらいしかないことも多い。住宅地として更地から整備されている都合、一軒家が占める土地が多すぎる。

 

こんな土地ではモノにせよ必要な保険にせよ油にせよとにかく高く付く四輪車を振り回さない限り半ば軟禁されたも同然、特に未成年には住みにくいこと限りない。それに高槻ではその車で行く先は特急や新快速が停まる駅に百貨店まで複数あるちょっとした都会、道路は混み駐車場も高い。