米国出羽守

ツイッターをしていると、ちょくちょく米国出羽守が現れる。欧州出羽守と合わせて欧米出羽守とされることが多いが、欧州賛美と米国賛美ではカテゴリが異なる。具体的には欧州の方は環境問題や政治家、思想に比重が寄って米国賛美では合理性や経済力を重んじる向きがある気がする。ちなみに全く関係ないが薩摩守といえば『ただのり』を導き無賃乗車を指し、肥後守といえば小型の刃物である。

 

米国出羽守は『アメリカは合理的!多様性!おおらか!それに比べて日本は...』というが、彼らが語るアメリカの姿が実態を反映しているとは思えない。

 

そもそもアメリカは移民の国であって、地域や地区ごとに人々の構成が変わるのだという。大統領が彼らの信じる唯一神について言及するが、それを皆が信じているとも限らない。英語があまり通じない地域もあるそうだ。風土がバラバラなのに一部分を指してすごい国だといっても、どこまで本当なのか怪しいものである。

 

ルクセンブルグほどの小さい国ならまとまりもしようが、日本でさえ地域ごと都市規模ごとに考え方や生活習慣の違いがある。彼らが指すアメリカとはだいたい西海岸か東海岸の先進的な都市部であろうが、それがその国の全てかのように考えていいか悩むところである。

 

それにその都市部にしたって、彼らが言うように開明的でおおらかであるかは本当に疑問である。本心は誰にもわからないものだし、きれいごとばかりであの経済を、力を保っているとは到底思えない。