『医者が食べない食品』

少し前に、どこぞのインフルエンサーが『医者が食べない食品ワースト10』の画像を発表していた。多少は面白いことが書いてあるかと思って眺めてみたが、典型的な文明嫌いの自然食品派の人たちが目の敵にしていそうな食品のオンパレードであった。この種の人たちはとにかく添加物が嫌いで、なら塩化ナトリウムもスクロースも添加せず素材だけ食べていてくれと悪態の一つもつきたくなる。

 

食品添加物のたぐいは万が一何があったらまずいとのことで非常に大きな安全マージンがかかっており、少なくとも急性毒性は気にしなくてよいことになっている。慢性の発がん性の懸念はないではないが否定されているものも多く、程度問題でいえば酒たばこや徹夜などのほうがよほど問題になるようだ。

 

しかもこの人が投稿したtwitterは野生の医師がたが日々うろつく場所、『食べてますけど』とのコメントが殺到していた。これだけで言説を十分否定できるが、『証拠は?』と聞かれて『ある医学博士の選んだもので、実名は出せない』と言っているのでいよいよ信用ならない。

 

本気で『医者が食べない食品』というのを考えてみると腐ったものが真っ先に思い浮かんだがこれは皆食べたくないだろう。医者、というより医療従事者が特別に嫌うものとすれば『加熱が不十分な豚肉・ジビエ』あたりが該当するだろうか。嫌というほど習った感染のリスクが脳裏をよぎり、ドイツ旅行に行っているのでもなければほとんど忌避されるだろう。