骨折(6歳末)

6歳の1月に右手薬指の根元、基節骨を折った。私は生まれが4月半ばと極めて遅いのでまだ幼稚園生であった。

 

家でよそ見をしながら階段を降りていたところ、転げ落ちて変な方向に手をついてしまったのだ。2500日ほどの中で、帝王切開だったので生まれた時から合わせて一番の痛みだったのでそれはもう盛大に泣いた。針仕事を早々と切り上げた親に連れられて近くの大きな愛仁会高槻病院に行った。

 

少し待たされてから曲がったのを戻す整復(これはこれで相当痛かった)を受け、石膏のギプスで中指まで固められた。右利きなので箸をまともに持てず、スプーンでご飯を食べる生活は中々辛いものがあった。

 

ただこれはまだ6歳の時で良かったといえよう。歩いて行ける幼稚園に自転車で行くこともなく、たまに友達の家に上がるほかはコロナのコの字もないのに(SARSは確かあったが)親無しでの外出機会がなく、そして何より鉛筆も携帯も持つ必要が無かった。

 

しかし、時期にせよ後遺症が無かったことにせよ骨を折ったにしては極めて幸運であった。これが鉛筆を持たないといけない小学生の時や特に受験期だったら学力に相当支障をきたしていたし、自転車と風呂以外は常にスクリーンタイムの中学以降では大層退屈な思いをしただろう。スマホはなんとか触れてもPCを片手で扱うのは無理がある。

 

これの再来が怖いので、今では階段を降りる時は必ずスマホをポケットにしまい、スマホを眺めたくて仕方ない時は座っていざり降りている。