まちと歩道

自分が見てきた地方都市の歩道は整備が滞っていることが多い。アスファルトが裂け、盛り上がり、下草が生え、時に腰くらいまでイネ科っぽい植物が生えていて通過できないこともある。そしてそのような所では歩行者や自転車が人口の割に少ない。しかし車道はどこでもよく整備されている印象がある。

 

歩道が使われないから歩道の整備が不十分なのか、歩道の整備が不十分だから歩道が使われないのか、とは思うものの前者である気がする。車を中心とする地は歩行者に厳しいのだ。

 

地方都市のチェーン店は意外にその影響範囲が広く及び、コンビニさえも10台分ほどの駐車場を持っていることがある。まだ元気にしている方の郊外のロードサイドの店ではそれ相応の駐車場を必要とする。立体化しても割に合わないらしく平面である。

 

色んな店が専用の駐車場を持つと、店から隣の店へ移動するのも大変となる。早い話が、店というオアシスと道路や駐車場といった無の上を延々歩くことになるのだ。健脚を娯楽目的で移動する分には味があるが、日常的に使う人にとってはたまったものではない。ついでに歩道が荒れていると隣の店に行くだけでちょっとした旅行となる。となると、最初から多少距離が近くとも車で移動する方が楽になる。そうして負のスパイラルにはまり車にしかやさしくない地になるのだろう。