採血

今日は検査で採血を受ける日であった。血を抜かれること自体は高1の時から献血で記録上30回、いろいろの都合で採れなかった時も含めて40回近くは行っているのでよく慣れている。献血以外で病院で抜かれることもままあるが慣れた看護師の方がスッと抜いてくださる。

 

しかし今日の採血の先生は何やら不慣れなようであった(見習いだと言っていた)。おそらく自分の番までに数十人と採血なさっただろうけれども、なにぶん自分の腕は数十人に一人の採血しづらさである。証拠はないし採血しやすさ全国ランキングなんてのもないが、いつもの献血ルームで検査採血のコーナーを眺めていて自分より手間のかかる人を見たことがほぼ無い。

 

肥満のせいかとも思うがそこまで肥えていなかった高1や高2の時も相手方が手間そうにしていたので体質なのだろう。難易度詐欺になったら申し訳ないうえ、自分が物理的に痛い思いをするので、採血しにくい血管ですと先に若干謝りつつ告げると個人的に決めている。

 

採血の時はまずゴム管の駆血帯というもので肘の上を縛って静脈の流れを止めて血管を浮きだたせる。そしてよく使われる血管は決まっているがひとつではないので一番やりやすい血管を探って、成分が変化しないうちにブスリ、というのが定番である。

 

しかし自分の血管は難儀なので探ってもらっているうちに縛っていられる時間を過ぎてしまう。すると一度外して、しばらくしてからまた縛り直しとなる。献血の場であればカイロ巻いて自販機のホットカルピスでも飲んで出直して、となるがそういうわけにもいかない。太い針を何度も刺してケロイドになっている所を指して『ここ以外ではとりづらいそうなのでここで』と頼んでみたものの難儀していたので一応両腕を見てもらった。

 

それでも先生が不安そうにしていたのでこちらも不安そうな顔をして周囲に目をやり周囲に代わってもらうよう念を送ってみた。すると通じたのか手の空いた周囲の方が集まった。4人くらいに盛大に肘裏をモチモチと探られ、右肘の正中皮静脈かいつもの橈側か、となったところで正中のが細く採血に適さないとのことで橈側と結論が出て、3分か5分ほどしてようやく採血となった。

 

あとはいつも通りである。アルコール綿で拭かれて、迷走神経反射防止のため目をそらして、浅い角度で針を刺されてちゃんと採れたのを確認して終了である。血液がシリンジに出ている時に「ちゃんと採れていますよ」と声かけされたのはありがたかった。目をそらしているので数秒のこととはいえ採れていて刺しなおしにならないか不安なのである。次に献血に行って検査採血を受ける時は頼んでみようと思う。

 

しかし静脈に針を刺すのはよくすることとはいえ、大学病院をそれだけで渡るわけにもいかない。採血を本業とする献血センターの看護師がたと比較してしまうのは不適切なことであった。自分が学生医に、そして研修医になった時には迷惑をかけずにちゃんと手技をできるだろうか。今から練習するわけにもいかないのが難儀である。