『夜道平気症』の治癒

高所恐怖症ならぬ『高所平気症』という俗語が存在することはご存知だろうか。要は幼少期を高層マンションで過ごすと、高所にいることに慣れ落下への危険意識が弱まるというのである。

 

自分は戸建てで育った(ている)のでそのような経験は無いが、その代わりに『夜間平気症』とでも呼ぶべき状態になっていた。 

 

中学以降では日付が変わる前の夜道を徒歩や自転車で移動することくらいよくある事としても小学校の高学年になると21時過ぎまで塾に滞在し、21時半の電車で同級生と小さなガラケーボンバーマンに興じ、そして22時の夜道を自転車で散策するのは小学生としては行き過ぎの、いうなれば『夜道平気症』である。

 

特段被害らしい被害にあうことは無かったので中学以降も塾や模試ときおり旅行などで夜の街を移動することが多いこともあり、夜道に対する抵抗は一切なかった。

 

しかしここ1年は別である。長引く解剖実習が終わり大学に行く機会がめっきり減り、緊急事態宣言が常態化して20時になると飯屋が軒並み閉まるようになった。すると最近10年無かった夜道への恐怖がまた呼び起こされるのである。

 

かつての私なら現状を『夜道恐怖症』とでも名付けるだろうか。まあそのうち治るであろう。