おうち時間が侵食される

今週のお題「おうち時間2021」

 

2019年までは家と外の区別があった。今は家が全てである。

 

今までは外で勉強や労働に従事し、家では安楽に過ごす内外の別があった。私は今大学の3回生、6年制度なので折り返しを始めた頃だが、家庭学習というものをほとんどせずに過ごしてきた。宿題もなるべく外で済ませて家ではろくにせず、追加の学習などもってのほか、数学などは授業中と模試の試験時間以外に取り組んだ覚えがない。だから苦手だったのだが。

 

2019年度、大学1回生だったときも家庭に学習を持ち込まない方針は続いた。なるべく授業中に済ませ、それ以外で学習する時も通学のバス内で済まないものはカフェやサイゼリヤ、あるいは公共のフリースペースなどに出向いて行ったものだ。うちはうち、よそはよそであった。

 

しかし567の暴風が吹き荒れ緊急事態宣言が乱発される情勢下、大学は早々と対面授業を止め通信大学と化した。フリースペースなどは飲食禁止マスク必須定員減少と狭苦しい空間に当然なり果てた。サイゼやカフェなどへの課金は日常的には行いづらい。しかし通信大学化したとはいえ専門教育に入り習得すべき事柄は増えた。家以外のよそで行う内容はそのまま、場だけが消えてその圧力で家に入り込んでくるのだ。

 

かくして家庭への学習の禁は破られ、休息の場と作業の場は一つとなった。休息の場に作業が入り込み、作業は休息の場で行われることとなった。とてもつらい。

 

リモートワークが叫ばれる2021年この頃だが、仕事部屋、そうでなくてもパーティションで囲った仕事用の一角を用意できずにそれを行っている人たちは私と同じような苦しみを抱えているのではなかろうか。

 

とはいえ通学往復2時間が丸々浮いて総合的な負荷は減ったのでぜひとも通信大学のままであってほしい。